うつの原因となるストレッサーの中でも、特に多いのが、人間関係に関わるものです。
誰しも、親のこと、子供のこと、夫や妻のこと、職場の上司や同僚や部下のこと、友人、片思いの相手のことなど、大事であればあるほど気にかかり、心が動きます。
人間関係によるストレッサーがうつ症状の原因になっている場合
以下に、人間関係にかかわるストレッサーをご紹介します。
人間関係にかかわるストレッサー
親との関係
- 親の死亡
- 親とのトラブル
- 両親の離婚
子供との関係
- 子供の死亡
- 子供とのトラブル
- 子供の独立
夫や妻との関係
- 配偶者の死亡
- 配偶者の浮気
- 離婚
- 夫婦の別居
- 夫婦げんか
恋人との関係
- 結婚
- 失恋
友人との関係
- 友人とのトラブル
- 仲間から孤立すること
- 親友の死亡
職場の関係
- 上司とのトラブル
- 同僚とのトラブル
- 部下とのトラブル
- 関係先とのトラブル
その他の人間関係
- 近所とのトラブル
- 義理の家族とのトラブル
気が合わなかったり、価値観の合わない相手と一緒に活動することは、それだけでストレスです。
そんな時に、急に、病気や、失業、転勤、子供の進学など人生にとって大変な出来事が起こったりすると、
日頃の人間関係のトラブルが、クローズアップされてきて、あなたの心にとって、大きなストレスとなります。
そのストレスは、心の持ちようによって、良くも悪くも作用する為、悪影響を及ぼすマインドセットを変えることによって、少しずつ改善されていきます。
あなたの心にストレスをもたらしているマインドセット(価値観・思いこみ)を特定し、はっきりと理解することで影響を弱め、人間関係を改善するマインドセットを、心の中につくり出しましょう。
あなたの場合、人間関係のトラブルをつくり出しているマインドセットとはどのようなものでしょうか?
人間関係にかかわるうつ病の原因となるマインドセット(価値観・思い込み)とは
上のストレッサーから、あなたのうつ病の原因となるストレッサーをイメージしながら、
あなたのうつ症状を引き起こしているマインドセットを下記の7つの代表的なマインドセットから見つけてください。
- 何の根拠もないのに将来について非常に否定的悲観的な予想をしてしまう(悲観的予想)
- 自分や周りの状況について、過程を飛ばして過剰な一般化をしてしまう(オールオアナッシング思考)
- 何の根拠もないのに最悪の結論と思い込んでしまう(結論への飛躍)
- 物事や自分の否定的な細部を選び出して注目し、そのことばかり考えて、良い面からは目を背けて見ないようにする(トンネル視野)
- 何かよくないことがあると、自分が悪いと思い込んでしまう(自責思考)
- 人に対してあるやり方でやらなければならないと思い込む(人へのねばならない思考)
- 自分に対してあるやり方でやらなければならないと思い込む(自分へのねばならない思考)
1つづつ事例を挙げて、ご説明していきます。
悲観的予想
何の根拠もないのに将来について非常に否定的悲観的な予想をしてしまう
ある独身の男性が、想いを寄せていた女性をデートに誘って断られました。
すると彼は「僕と一緒にいたいと思う人は1人もいないんだ」
「将来一緒にいてくれる人を見つけることはできない」と思ってしまい、とても落ちこみました。
これをきっかけに、この男性はうつの状態になっていったのです。
普通に考えれば、一度断られたことで、一緒にいたいと思う人が一人もいないとは言えませんし、
将来だれも、一緒にいたいと思わないと考える根拠はなにもありません。
悲観的予想というマインドセットを持つ場合、嫌な出来事が、このような絶望につながってしまうのです。
オールオアナッシング思考
自分や周りの状況について、過程を飛ばして過剰な一般化をしてしまう
大切な人を失って、感情が高ぶった状態で、すべてが自分のせいだと自分を責めているうちに、何をやってもダメな人間だと思い込む場合もあります。
特に、幼少期、親に、” だからダメなんだ ”と言われ続けて育つと、そのようなマインドセットが強くなり、
大切な人を失った時に、そのようなマインドセットがより強く表れ、もう何もする気がなくなり、鬱々とした気持ちで、過ごすことになるのです。
でも、このままでは、生きていくのがつらすぎます。
だから、ご自分の心の持ち方、ありよう(マインドセット)を変えてゆくことがとても大切になるのです。
大切な人が亡くなったという事実は変えられないが、あなたの心の持ち方は変えられる。
そして、そのマインドセットを、変えることで、今後、前向きに生きてゆくことができるのです。
亡くなった大切な人の幸せを心から望むのであれば、まず、ご自分が、立ち直ることです。
これらに加えて、大切な人を亡くした場合のうつ症状の原因となっているものに、強い喪失感があります。
結論への飛躍
何の根拠もないのに最悪の結論と思い込んでしまう
このように大切な人がなくなったことで、感情が高ぶってくると、物事を決めつけて考えるマインドセットがあらわれることがよくあります。
大切な人がなくなったとしても、自分だけのせいではないのにも関わらず、自分が悪いと決めつけてしまう。
自分さえ、何らかの行動をとっていれば、大切な人は決して亡くなることはなかった と、思い込んでしまう。
このようなマインドセットが、ある場合はとても大変です。
悪い場合は、自殺の危険さえあります。
トンネル視野
物事や自分の否定的な細部を選び出して注目し、そのことばかり考えて、良い面からは目を背けて見ないようにする
なぜ、他の人ではなくて、自分の大切な人が亡くならなければいけないのか、どうして、なぜという気持ち、納得できないというマインドセットがあります。
たとえ、亡くなった意味が分かったとしても、大切な人を失った喪失感は、ものすごく深いものがあります。
ずっとぼーっと、亡くなった方とのことを考えているうちに、何をする気力もなくなり、深いうつ状態に陥ってしまいます。
また、他の人間とのトラブルの場合、相手を責める気持ちがあります。
自責思考
何かよくないことがあると、自分が悪いと思い込んでしまう
どんなに心が健康な人でも、ある程度、楽天的な人であっても、
あなたが愛するお子さんが亡くなったり、いっしょにいることが当然となっているほど大切な奥さんや旦那さんを突然なくしたら、どうでしょうか?
ほとんどの方が、通常の生活を送れるような精神状態ではいられないのではないでしょうか?
そんな心のエネルギーが枯渇して、弱っているときに、あなたの心に眠っていた普段はあまり活動していないマインドセットが動き出すのです。
自分が、もっと気をつけていれば、子供は死なずにすんだ!
全部自分が悪いんだ!
自分なんかが子供を育てる資格なんてない!
冷静な心の状況であれば、この心の叫びに反論も出来るのでしょうが、大切な人を失っているときに、ほとんどの人は、冷静な心ではいられないのです。
ねばならない思考
あるやり方でやらなければならないと思い込む
自分は、こんなに頑張っているのに、何も相手は理解してくれない。
それどころか、ことあるごとに、自分を攻撃してくる。
悪いのは相手であって、自分ではないのに、なぜ、相手は、こんなにひどいことをするんだ、許せない。
といった思いです。
当初は、相手を逆に攻めたり、相手に改善を要求したりするでしょうが、相手が自分より強い立場であったり、それを認めない場合、大きな失望感があなたを襲います。
そして、その失望感から、悲しくて、頭にきて、何もしたくなくなり、もうどうでもいいという思いになり、重いうつ症状になっている場合があります。
いかがでしょうか?
人間関係のストレッサーが原因でうつ症状になっている人に、多いマインドセットの影響をご説明しましたが、あなたには、思い当たるものがあったでしょうか?
どのようなマインドセットによって、自分の言動がなされているかを特定できれば、その影響を薄めることによって、気持ちに余裕ができて、考え方が自由になって、うつ症状も改善されていきます。
人間関係によるうつ病の原因となるマインドセットを特定する
ここにあげたマインドセットは、人間関係に関するうつ病の原因となるマインドセットの代表的なものです。
ほとんどのうつ症状の人は、この中のどれかのマインドセットを持っていることが多いです。
このようなマインドセットによって、自分の言動がなされているのであれば、その影響を薄めることによって、気持ちに余裕ができて、考え方が自由になって、うつ症状も改善されていきます。
人間関係の問題のために、あなたにうつ症状が出ているのであれば、あなたの心の受け止め方、すなわち、マインドセットをよりよいものに変えてゆきましょう。
そうすることで、あなたのうつ症状は、ずいぶんと改善するはずです。
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